朝活『メンタルヘルス』

9月24日(金)の朝活『メンタルヘルス』は、久々に対面形式で開催ができました!

テーマは、「“あそび”が生むこころの“ゆとり”-描いて感じる心理学-」講師は、新潟リハビリテーション大学 和田剛宗先生でした。

みなさん、最近いつ遊びましたか?

という講師の問いかけから今回の講座は始まりました。

けれども、多くの方がその問いかけにうまく答えられず…。自分たちが、大人になってから遊ぶことを忘れてしまっていることに、まず気付かされたのでした。続いて、今度は子どもの頃にやっていた遊びを挙げてもらうと、「テレビゲームやカードゲームをしていた」「スポーツを一生懸命やっていたけどそのなかにも遊びの要素があったと思う」などなど、笑顔混じりでたくさんの回答が挙がりました。

つまり、これらの問いかけからは、現在と子どもの頃との気分(こころの状態)の違いが実感として思い出せるわけですね。

夢中になって“あそび”を楽しみ自分らしく伸び伸び生き生きしていた自分と、日々に対応して義務感や焦りで過ごしてしまっている現在の自分との違いがよく分かったようでした。

なお、こうした違いがあるからこそ、このあと行う体験ワークが“あそび”の大事さを思い出すキッカケになれば、というのが今回の講座の趣旨でした。ただし、遊ぶと言ってもなんでも自由にやればいいということではなく、ゲームやスポーツにルールがあるように、いくらかルールが決められた遊びをすることが大事だという説明もありました。

これは、ルールという限界があるからこそ、その限界のなかで頭をつかって自分なりに工夫することが楽しみにつながるからなんですね。

ということで、今回は自分にこころの“ゆとり”を取り戻すための、“あそび”を皆さんで行いました。

あそびを体験するため、最初に用意されていたのは「風景構成法」という‘描画法’でした。これは、箱庭療法という心理療法に基づいて生み出された方法で、指示されたアイテムを順番通りに描いて1つの風景を完成していきます。

八つ切り画用紙を1枚ずつ渡してもらい、講師が四角く縁取りをしたなかに指示されたアイテムを描いていくのですが、どんなアイテムが言われるのか、そして全部でいくつのアイテムがあるのか分からないまま描き進めることになるので、この段階では皆さん難しい表情をしながらペンを動かしていました。

けれども、全部で10のアイテムを描くよう指示されたあと、自分が付け足したいものを描いてもよいと言われると、皆さん積極的に足したいものを描き入れていました。

続いて、いったん白黒で描きあがった風景に、クレパスまたは色鉛筆で彩色していきます。

彩色の仕方は自由ですから、皆さん夢中になって色づけをしていました。そして、時間をかけて彩色し終えた状態の風景は、白黒の段階とは違って活き活きとして違った感じになっていたのが印象的でした。

最後に、裏面へ日付や名前を書き、タイトルをつけたところで全ての手順が終了となりました。

描きあがった風景は、上手下手という次元とは異なる、自分の描き上げた唯一無二のもの。

描いた直後には「ここが上手く書けなかった」というところに目がいきやすかったのですが、改めて<出来栄えはいかがですか>と講師から尋ねられると、「描きあげられました」「まあまあです」といった感想が出て、自分なりに納得のいく風景が描けたようでした。

ちなみに、風景構成法とは別に「マンダラ塗り絵」という曼荼羅の心理的効果を利用した塗り絵も用意していただいていたのですが、風景構成法が終わった時点で終了時刻が近づいていたため今回は紹介にとどめ、塗り絵の用紙は希望された方にお土産として持ち帰って楽しんでいただくこととしました。

Zoomでの遠隔開催には、移動時間が不要なので遠方の方が気軽に参加しやすいというメリットがありますが、皆さんに足を運んでもらって直接言葉を交わしながら体験していただいている姿を見ると、対面開催にはやはり代えがたい良さがあるものだなと改めて感じた次第です。

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